ドキュメンタリー映画『ウォー・ダンス / 響け僕らの鼓動』の舞台となるのは、アフリカの東部に位置するウガンダ共和国。
1970年代に実権を握っていたのは悪名高きアミン大統領。彼の悪政により混乱していた国内の情勢も、1979年の失脚後、復興再生へ向けさまざまな活動が行われたことで、近年は経済や教育といった面で著しい進歩が見られる。しかし一方で、北部を中心とした反政府軍によるゲリラ活動が今も続いている。
『ウォー・ダンス / 響け僕らの鼓動』は、まさにその北部にある避難民キャンプに住む子どもたちを描いたドキュメンタリーである。
過去20年に渡って、ウガンダ北部に生きる子どもたちは反政府武装組織の脅威にさらされ、家も家族も、一切の安全も安心も奪われた。戦争の一番の被害者は、いつも子どもたちである。しかし、ウガンダにおける戦争は複雑な側面も持つ。子どもたちは犠牲者であると同時に、反抗活動を維持してきた兵士でもあるのだ。反政府軍は、村から拉致した子供たちを少年兵として戦線に補充するという悪逆無道な手段をとっている。結果として兵士の80%は子どもであり、中には5歳の子どもまで含まれているのである。
闇に乗じて反政府軍は村々を襲い、新規の兵士候補を拉致していく。子どもたちは文字通りベッドから引きはがされて連れ去られる。重装備で武装した兵士達に対して親たちはあまりに無力だ。抵抗するものはその場で惨たらしく処刑される。拉致された子どもたちは、銃で脅されながら隣人らに暴力を浴びせることを、さらにひどいときは両親を殺すことを強要されてしまう。そして男子は兵士として訓練され、女子は慰安婦にされるのだ。
中には運よく脱走、または救出される子どももいる。その子らが再び拉致されるのを防ぐために、軍による24時間警備で守られた避難民キャンプに集められている。しかしそこでも子どもたち は、水道も電気もない劣悪な衛生条件に耐えなければならない。
そんな子どもたちが音楽を通して辛い過去を忘れ、新たな希望を見出していく姿を、カメラは丹念に追っていく。自らの言葉で語られる彼らの体験はあまりにむごいが、ときおり見せる輝く瞳は、明るい未来に満ち溢れている。

